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乾癬(かんせん)について

乾癬(かんせん)とは?

皮膚が赤く(紅斑)盛り上がり、表面に銀白色のフケのようなもの(鱗屑)ができて、ポロポロと剥がれ落ちる皮膚の病気です。

紅斑の形や大きさは様々で、症状が進むと数が増え紅斑同士がくっつき大きくなることもあります。また、患者さんの半数くらいに爪の異常が見られます。

半数の方が痒みを感じますが、全身への影響はほとんどありません。しかし、なかなか治りにくく見た目も問題のため、精神的なつらさを訴える患者さんが多いです。

 

乾癬の種類

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

「尋常性」とはありふれたという意味で、乾癬の患者さんの多くがこのタイプです。頭を含む全身に数cmくらいの大きさの紅斑が出現し、表面に鱗屑がありポロポロと剥がれ落ちるのが特徴です。かゆみが全く見られない人から、かゆみが強い人まで個人差があります。

滴状乾癬(てきじょうかんせん)

風邪を引いた後などに1cm以下の鱗屑の付いた小さな紅斑が体中に多発するもので、小さいお子さんや若い人に多く見られます。

乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)

乾癬の皮膚症状に加え、強い関節痛を伴います。本邦でも乾癬の患者さんの十数%に見られます。関節が変形すると元に戻らなくなってしまうため、関節炎に有効な治療を早期から行い、日常生活のQOLを保つことが重要となります。

乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)

紅斑がくっついて拡大し、全身にくまなく拡がった状態をいいます。正常な皮膚の働きが失われるため、皮膚のむくみ(浮腫)が生じ、体温調節ができなくなり、それに伴い倦怠感も生じることがあります。

膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)

乾癬の病変に黄色または白色のあわ粒状の膿をもち、高熱や倦怠感があるものをいいます。乾癬の中では重症であり、日本では難病の一つとして指定されています。

 

原因

乾癬の原因はまだわかっていません。遺伝的な体質があり、それに何らかのきっかけが加わった時に病気になったり悪化したりすると考えられています。

乾癬は頭を含む全身にできますが、特に腰、ひじ、すね、膝、こすれる場所や爪に多く、左右対称にできやすいという特徴があります。また、日光のあたる顔などには少ないと言われています。

 

治療法

外用療法(塗り薬)

ステロイド外用薬は今まで広く用いられ、比較的短期間で効果が得られるとされてきました。しかし、長期間塗り続けると皮膚が薄くなり弱くなることがあるため注意が必要です。症状に合わせて、様々な強さ・剤形の薬があります。

ビタミンD3外用薬は最近は乾癬治療の第一選択薬として広く用いられています。ステロイド外用薬に比べると効果が現れるのは少し遅い(2~3か月)ですが、長期間塗り続けても副作用が少なく、ステロイド外用薬と同等の効果が得られます。

内服療法(飲み薬)

内服薬は治療効果は高いですが、時に副作用が強く起こることがあります。主に症状のひどいときに用いられ、定期的な検査が必要です。

光線療法

PUVA療法、UVB療法など紫外線(UVA、UVB)を照射する療法、ターゲット型のエキシマ光線治療があります。当院ではエキシマ光線療法行っております。

生物学的製剤(注射、点滴)

2010年から日本で使われ始めた治療法で、乾癬の炎症を起こしているTNF、IL-12、IL-23、IL-17などの因子を抑えます。副作用として感染症や薬剤に対するアレルギー反応などがあり、それらを防ぐために定期的な検査が必要です。今までの治療で良くならない患者さんや、関節症状がある方が対象です。

 

日常生活で気をつけること

乾癬を悪化させないために、皮膚への刺激・トラブルを避けましょう。衣類は皮膚への刺激が少ない素材で、こすれないゆったりしたものを選び、入浴時も体をゴシゴシこすらないようにしましょう。

また、紫外線は乾癬に有効なため、日光に当たる機会を多くしましょう。ただし、強い日差しの急激な日光浴はかえって悪化を招きます。自然に日光浴が出来るような、スポーツや散歩、屋外での読書などを生活に取り入れましょう。

 

 

参考資料:鳥居製薬 もっと知りたい乾癬のこと 第6版

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